中古マンションの売買契約と引き渡しまでの注意点

ウール博士!中古マンションの売買契約って、書類にハンコを押して署名するだけで大丈夫なのかな?
とんでもない!中古マンションの売買契約は一番神経を使うところじゃ。後からのトラブルを防ぐためにも大事なところをチェックして注意点を理解しておこう。
中古マンションの売買契約の注意点

  • 契約は自己責任。契約書と重要事項説明書は事前にコピーをもらって全体に目を通しておく
  • わからないところは不動産会社の担当に遠慮なく質問して納得してから契約する

中古マンションの売買契約の流れと準備

中古マンションの売買契約日は、署名・捺印で簡単に終わるものではなく、1〜2時間にわたって説明を受ける必要があります。宅建資格を持った不動産担当が説明事項を読み上げていくのですが、その書類には不動産専門用語が多いので一般の人は一度聞いただけですぐに理解できるものではありません。

事前に契約書類のコピーをもらって理解しておくことが大切じゃ

「重要事項説明」と「契約」二段階で行われる売買契約の流れ

中古マンションの売買契約日は、大抵の場合は1日のうちで二段階に分けて進められます。まずは「重要事項説明」、そして「売買契約」です。

「重要事項説明書」とは、一言でいうと契約書の内容をしっかり理解するための補足説明のようなものです。要はトラブル回避のための確認事項と考えておいて良いでしょう。

重要事項説明

重要事項説明とは、不動産の売買契約を結ぶ前に受ける説明のこと。不動産会社は、不動産物件に関する重要事項を購入予定者に説明することが宅地建物取引業法で義務付けられている。購入予定者は、重要事項説明を聞いた後で最終的に不動産物件を購入するかどうか検討することができる。

そして契約の締結時に「手付金」を支払います。この手付金は百万円単位になるので、振込対応するのが一般的です。現金は持ち運びやその場での金額確認にも不便が出てくるからです。

中古マンションの売買契約における準備

持ち物としては印鑑があれば大丈夫です。実印が必要かどうかは不動産担当に確認しておきましょう。

契約締結時には手付金の支払い(振込)や契約証書に貼る印紙(印紙代)の用意も要るので支払いのタイミングを不動産担当に確認しておきましょう。(印紙代も含めて振込となることもあります)

服装を気にする方もいますが、実際にはそれぞれです。スーツにネクタイとかっちりする必要はありません。

襟付きシャツにジャケットの方もいれば、普段着の方もたくさんいます。コレといった決まりはないので、自分の中で「少しきれいめ」な服装をイメージして行けば恥ずかしい思いをすることはないでしょう。

契約時に気をつけたいのはどちらかというと契約時の環境です。大きな金額を扱う重要な項目を確認する時間なので、集中できる環境にしておきましょう。

特に小さな子どもがいる場合には要注意です。あらかじめ親や友達に預けておくなどといった対策をしておきましょう。

子どもが騒いで集中できず、とにかく早く終わらせたい一心で契約書に署名した後に未確認事項が見つかって後悔した!」という声も少なくないので、気をつけてくだされ。

中古マンションの売買契約の書類の見方

売買契約に関わる契約書類(重要事項説明書と契約書)には、以下のような様々な項目に分かれて説明がされています。

誤解が多く後からトラブルになりやすいポイントもまとめて解説しますので、ポイントを押さえておきましょう。

【物件と売り主の確認】

該当する中古マンションの契約に関わる人物・機関について確認します。

【物件内容の説明】

該当する中古マンションの概要の説明を確認します。

売買物件(不動産)の表示

登記簿上の面積をはじめ、専有部分や共有部分などの全体の建物概要が記載されています。

チラシに載っていた面積と違う!と思うかもしれませんが、それはマンションチラシに掲載する専有面積が「壁芯面積」を計算する内容になっていることに対して、登記簿には「内法面積」を記載するからなのです。

なので一般的には広告に記載される専有面積は登記上の内法面積より少し広くなっていることを理解しておきましょう。

また、広告上の面積が50㎡くらいの場合は登記簿上の面積が50㎡をきることはないかどうか確認しておこう。50㎡をきる場合は住宅ローン控除などが受けられないことがあるから要注意じゃ。

登記記録に記載された事項

登記簿には土地の抵当権が設定されているか確認しましょう。

抵当権が設定されている場合、ほとんどのケースが引き渡しまでに抹消されることが多いですが、もし先方からの説明がなければ念のためにいつ頃抹消する予定か確認をとっておきましょう。

法令上の制限

都市計画法建築基準法などによる制限の確認をします。

今後周辺環境が変わる可能性があるので、その時にどんな施設が建つ可能性があるかどうかを建築基準法上の用途地域の項目で事前に確認しておきましょう。

  • 建物が面する私道の負担金の有無
  • 建築確認済証番号と日付
  • 水道・電気・ガス・排水などの種類と整備状況
  • アスベスト(石綿)使用調査結果記録の有無
  • 耐震診断の有無について 

管理概要等

この部分ではマンションの管理規約やマンション生活に関するルールを確認します。

確認事項の一例

  • 共用部に関する規約や持ち分について
  • 専有部分の利用についての制限や禁止事項
  • 駐車場や専用庭、バルコニーなどに関する規約について
  • マンションの管理形態や管理委託会社について
  • 修繕積立金や管理費の金額について
  • 建物の修繕についての記録  

…など

修繕積立金や管理費がどれだけ貯まっていて、前回はどのタイミングでどんな大規模修繕がされているかが確認できるんだね!

【お金に関する説明と約束】

該当する中古マンションに関わるお金の概要などを確認します。

売買代金と支払い方法

契約書の表紙の部分で対象の中古マンションの売買代金とその内訳を確認します。また、その支払い方法と支払い予定日が記載されています。

支払い時期が遅れると遅延損害金を請求されることもあるので、住宅ローンの準備の際には気をつけておくことじゃ。

売買代金以外に授受される金銭

手付金や印紙代などの諸費用、固定資産税、管理費や修繕積立金の金額と支払時期などが記載されています。

契約解除に関する事項等

契約の解除に関する条件や特約についての確認をします。契約違反に関する損害賠償額違約金について、手付金や預り金の保全措置瑕疵担保責任といった内容についても説明されます。

具体的には

  • 引き渡し前に契約解除したい場合はどうなるのか
  • 契約違反をした場合の損害賠償額などはどうなっているか
  • 引渡し前に災害や火災で建物が損傷した場合、売主負担で修繕してくれるのか(修繕不可能な場合、契約解除可能か)

といった内容を確認することになります。

ここでしっかり確認しておかなかったら、後で何か合った時に揉める原因になりそうだね。事前にちゃんと読み込んでおかなきゃ!

瑕疵担保責任

この部分では欠陥が見つかった時の保証についての説明を確認します。

中古マンションの引渡日以降に瑕疵担保が見つかった場合、誰が責任を負うのか、引渡し時までに天災などで毀損した場合に誰が負担を負うかなどが記載されています。

ここで築年数の浅い中古マンションであれば、新築時に住宅瑕疵担保責任保険に加入していて保険期間内である場合があります。

その場合は保険の内容を確認しておきましょう。

  • あと何年保険期間が残っているのか
  • 保険金額は一住戸あたり上限いくらまでなのか
  • 保険の対象となる瑕疵の範囲はどこまでか

金銭の貸借が成立しない場合の措置(ローン特約)

万が一住宅ローンの審査がおりず、借りられなかった場合には契約を白紙解除できるのか、といった内容が記載されています。

事前審査で申請した内容と違った内容で本審査に申請したり、申込み書類に嘘の記述があった場合、決められた期日までに手続きをしなかった場合などにはローンが下りなくなる可能性が高くなります。

またローンがおりないだけでなく、中古マンションの売買契約も解除され、違約金まで請求されるケースもあるので要注意です。

ローンの本審査が降りなくなる事例

  • 勤務先の変更や転職、退職があった場合
  • 何らかの理由で休職している状態の場合
  • 新規ローンやカードローン等の借り入れがあった場合
  • 融資承認後の辞退と、融資額増減の上の再申し込みがあった場合

承認事項(その他確認事項)

重要事項説明書の最後のコーナーです。

ここでは主に購入する中古マンションの管理状況や生活ルールなど、購入者が知っておくべきことを確認できます。

  • 現状の周辺環境の確認と今後の変化について(墓地や工場・駐車場・空き地の今後など)
  • 登記手続きについて
  • 融資手続きについて
  • 建物の変更について(使用用途の確認やリフォームに関する内容)
  • 管理および使用方法について(駐車場・バイク・自転車置き場、ゴミ置き場、ペットの飼育など)
  • 設備等について(加入しているインターネットサービス・BSやCS放送・防犯カメラなど)
  • その他自治会、瑕疵担保責任について、個人情報の取扱について

契約内容の確認ができたら署名、捺印して契約締結

ここまでの内容を順番に確認していき、売り主と買い主の両者が同意した時点で契約書に署名・捺印する運びとなります。

署名・捺印が終われば、無事に契約締結となります。

とても多くの項目の確認と理解が必要になりますので、事前に読み込んで理解しておくことがとても重要なのです。

参考までに、重要事項説明書を読む際の解説書を添付しますのでご利用くだされ。

【参考】不動産適正取引推進機構「これでわかる!『重要事項説明書』

中古マンション契約・引き渡し時によくあるトラブル

中古マンションの引き渡し時によくあるトラブルとして、以下のような例があります。

瑕疵担保責任のトラブル

一戸建ての場合はシロアリ被害や雨漏れがよくるケースですが、中古マンションの場合の雨漏りや給排水管の故障は「共有部分」に起こることが多いのでマンションの管理組合に修理を申請することになります。ですが、

購入時には知らなかったが住んでから発覚したというような瑕疵の内容であれば、相手が同意すれば引き渡し後2ヶ月以内なら責任を負ってもらえるケースが多いです。

ただ、この時に「知らなかった」「伝えた」「言った」「言ってない」の争いになることもあります。

「瑕疵となりうるような箇所はどこか」を事前に全部聞いておき、それを書面上で残してもらうと後々のトラブル回避につながりますのでおすすめです。

契約直前で不動産会社を変更してしまい契約破棄になったトラブル

契約直前で担当の不動産会社を変更すると、最悪の場合契約破棄にまでなってしまうケースもあるので注意です。

例えば、とある不動産業者Aが買い主のお客さんを見つけ、スムーズに契約がきまりそうだというタイミングで「仲介手数料が安いから」という理由で他の不動産会社Bに契約業務を依頼した、といった場合です。

この場合は、業界でのルール違反という名目で契約を解除される可能性があります。

また新しく依頼した不動産会社Bで契約できたにしても、元々お世話になっていた不動産屋Aからもダブルで仲介手数料を請求される可能性もあります。

こういったケースを避けるために、どの不動産会社と契約するのかを仲介手数料の額も含めて事前に意識しておきましょう。

ローン特約の有無の確認不足で手付金放棄での解約になったトラブル

こればあくまでローンを組んで中古マンションを購入する時のトラブルですが、契約時には重要事項説明書や契約書の書面内に「ローン特約」の項目があるかどうかチェックしましょう。

この項目は、ローンを組んで中古マンションを購入する場合であればほとんど契約時の書面に「万が一、ローンが下りなかった場合は契約を白紙に戻せます」といった旨の内容が記載されているのですが、稀に記載されていないケースもあります。

記載がない場合、もしローンが下りなかったら契約解除の違約金として事前に支払った手付金が戻ってこないといった事態になってしまうこともありますので注意してください。

ローンを組む予定の人は契約時の書面に「ローン特約」の項目があるか確認しよう。なければローンがおりなかった時どうなるのか聞いておくのじゃ!

中古マンションの売買契約の注意点

事前に重要事項説明書と契約書の控えを読んでも納得いかない部分があったり、こちらの指摘箇所について確認時間が必要な場合、その場で契約書に署名する必要はありません。署名する前にしっかり理解できるようにしておきましょう。

契約書に署名すると同時に手付金を支払いますが、後から契約の取り消しになったとしてもこの手付金の一部は戻ってはこないのです。

この記事の冒頭でもお伝えしましたが、中古マンションの契約時の注意点はこちらです。

中古マンションの売買契約の注意点

  • 契約書と重要事項説明書は事前にコピーをもらって全体に目を通しておく
  • わからないところは不動産会社の担当に質問して納得してから契約する

契約書は、署名と捺印をすれば同意したことになります。後から何かに気づいても何も言えなくなります。

契約時には焦ってはいけません。
プロの不動産業者がついているからといって、知ったかぶりをしてはいけません。
分からないことに対して恥だと感じる必要はありません。

あなたが関わる大きな契約なのです。

「こんなこと、聞いてなかった!」といったトラブルを防ぐためにも家族でしっかり書類を読み込んで理解しましょう。少しでもわかりにくいところがあれば事前に不動産担当に聞いておきましょう。

中古マンションの契約って、思ってたより神経使いそうだね。
そうじゃ。じゃが、後々のトラブルの元にもなりかねない部分なのでここは慎重に向き合うべきところじゃ。「しっかり理解して進める」ことを意識するのじゃよ。

中古マンション購入時の注意点とチェックポイントまとめ

2017.04.17